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脱退一時金の金額と手続き


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外国人であっても、20歳以上60歳未満で日本国内に住所を有する者は、国民年金に加入しなければなりません。

しかし、日本に短期間滞在する外国人は、老齢基礎年金の受給資格要件である10年を満たすことが出来ず、保険料の支払いが無駄になってしまいます。

その様な短期滞在外国人に対して、帰国時に一時金として支給されるのが脱退一時金です。

脱退一時金の支給要件

脱退一時金は、次のすべてに該当する者に対して支給されます。

  • 請求日の属する月の前月までの国民年金の第1号被保険者(任意加入被保険者・特例任意加入被保険者を含む)としての被保険者期間の合計が6月以上あること
  • 日本国籍を有していないこと
  • 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていないこと
  • 脱退一時金の支給を請求したこと

被保険者期間の合計は、次の割合で計算してください。

・保険料納付済期間の月数
・保険料4分の1免除期間の月数 X 3/4
・保険料半額免除期間の月数 X 1/2
・保険料4分の3免除期間の月数 X 1/4

脱退一時金の不支給

上記の支給要件を満たしても、下記のいずれかに該当する場合、脱退一時金は支給されません。

  • 国民年金の被保険者であるとき
  • 日本国内に住所を有するとき
  • 障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがあるとき
  • 最後に被保険者の資格を喪失した日から起算して2年を経過しているとき。ただし、資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算する
  • 国民年金法による年金給付に相当する給付を行うことを目的とする外国の法令の適用を受ける者又は当該外国の法令の適用を受けたことがある者であって政令で定めるものであるとき

脱退一時金の金額

脱退一時金は、上記の支給要件で算出した月数に応じて、以下の金額が支給されます。

基準日(最後に国民年金保険料を納付した月)によって支給額が異なります。

平成30年4月から平成31年3月までの脱退一時金の金額

6月以上12月未満49,020円
12月以上18月未満98,040円
18月以上24月未満147,060円
24月以上30月未満196,080円
30月以上36月未満245,100円
36月以上294,120円

脱退一時金の支給を受けた時は、その計算の基礎となった第1号被保険者(任意加入被保険者・特例任意加入被保険者を含む)期間は、被保険者でなかったものとみなされます。

脱退一時金の手続き

脱退一時金の支給を希望する方は、次の書類を日本年金機構へ提出してください。

  • 脱退一時金請求書
  • パスポート(旅券)の写し
  • 日本国内に住所を有しなくなったことを確認できる書類(住民票の除票の写し等)
  • 「銀行名」「支店名」「支店の所在地」「口座番号」「請求者本人の口座名義」を確認できる書類
  • 国民年金手帳または基礎年金番号が確認できる書類

日本国内に住所を有していると請求できないため、日本国内にいる時に提出する際は、住民票の転出日以降に提出します。

日本国内にいる場合は、最後に住んでいた市区町村役場にも提出可能で、これなら「日本国内に住所を有しなくなったことを確認できる書類」は必要ありません。

そして、帰国してから提出する場合は、日本年金機構に提出日以降に届くように調整していただく必要があります。

いずれにしても、日本に住所を有しなくなった日から2年以内に請求する必要があるので、気をつけてください。

脱退一時金いつもらえる?

脱退一時金の請求をした人から、「手続きしたのにまだもらえない」「脱退一時金はいつもらえるのか?」という質問を何度か頂いています。

待っているのに振り込まれず、既に帰国しているので問い合わせも難しく、不安になるのは当然でしょう。

脱退一時金は、大体、手続きから3、4ヶ月で振り込まれます。

ただし、絶対ではなく、前後することはご理解ください。

もし、半年経っても振り込まれる気配がない場合は、日本年金機構に一度問い合わせた方が良いでしょう。

社会保障協定とは?

2018年8月時点で、ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイス・ハンガリー・インド・ルクセンブルク・フィリピンとの間には、年金通算協定が締結され、発効済みです。

この社会保障協定は、「保険料の二重負担防止」と保険料掛け捨て防止のための「加入期間の通算」から成り立っています。

つまり、これらの国出身であれば、国民年金加入期間が自国の年金加入期間となるのです。

したがって、帰国時に脱退一時金の請求をする必要はありません。

ただし、イギリスと韓国については、「保険料の二重負担防止」のみとなっているので注意してください。


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