年金の支給開始、支給日、振込日はいつ?
年金は、「一定の年齢に達した時に老齢年金」「一定の障害を負った時に障害年金」「被保険者等が亡くなった時に遺族年金」が支給され、その後の生活を支える重要な収入となります。
しかし、老齢・障害・遺族となっただけでは、年金は支給されません。
年金は、『裁定請求書』に必要書類を添付して提出し、受給手続きしなければ支給されないという特徴があるのです。
したがって、年金の支給に関して、しっかり理解しておく必要があります。
年金支給開始・終了や支給日、振込日について説明するので、この機会に、ぜひ、覚えておきましょう。
年金の支給開始・終了と受給期間
年金は、「支給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から、権利が消滅した日の属する月まで支給される」と定められています。
支給停止の場合は、「年金を支給停止すべき事由が生じた日の属する月の翌月から、その事由が消滅した日の属する月まで」となります。
そして、老齢基礎年金の支給開始年齢は65歳からです。
分かりやすいように例を示すと、次のようになります。
(例)5月1日生まれの場合
法律上は誕生日の前日に65歳に達すると定められているので、4月30日に65歳になり、5月から年金が支給されます。
(例)5月2日生まれの場合
5月1日に65歳になり、6月から年金が支給されます。
このように、朔日(ついたち)生まれの人はその月から年金が支給されますが、それ以外の人は翌月からの支給となりますので、注意してください。
老齢厚生年金は、老齢基礎年金と同時に支給されますが、仕事をしており一定以上収入があると、在職老齢年金と言い、その一部または全部が支給停止されます。
これら老齢年金は、亡くなった日が属する月まで支給されるので、亡くなった月の老齢年金は遺族が支給を受けます。
ここで分かりやすいように、老齢年金・障害年金・遺族年金の支給期間についてまとめておくので、参考にしてください。
老齢年金の支給開始・終了
老齢基礎年金の開始 | 誕生日の前日が含まれる月の翌月 |
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老齢厚生年金の開始 | 老齢基礎年金と同時。ただし、働いていて収入がある場合は、その額により一部または全部が支給停止される |
老齢年金の終了 | 年金受給権者が亡くなった月 |
障害年金の支給開始・終了
障害年金の開始 | 障害認定日が属する月の翌月 |
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障害年金の終了 | 障害者が亡くなった月または障害等級に該当しなくなった月 |
遺族年金の支給開始・終了
遺族年金の開始 | 条件を満たしている被保険者や受給資格者、受給権者が亡くなった日の属する月の翌月 |
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遺族基礎年金の終了 | 子供が18歳に達する日以後の3月。ただし、子供が障害等級1級・2級であれば、その子の20歳の誕生日の属する月 |
遺族基礎年金の終了 | 【30歳以上の妻】 再婚しなければ、一生もらえる 【30歳未満の妻】 5年間の有期年金 【子・孫】 18歳到達年度末。ただし、障害等級1級・2級は20歳 【55歳以上の夫・父母・祖父母】 60歳から支給され、亡くなったり、離縁したりして、受給権が消滅する日の属する月まで |
年金の支給日と振込日
上記のように、年金は月を単位として成立していますが、実際の支給は、2月・4月・6月・8月・10月・12月の年6期に前月の分までが支給されます。
例えば、12月分と1月分は2月に支給されるのです。
ただし、次の年金については、振込月でない月でも支払われます。
- 支払うべきであるにもかかわらず、まだ支払われていない年金
- 権利が消滅した場合または支給停止した場合におけるその期の年金
年金の振込日は15日となっており、指定金融機関の口座に振り込まれます。
15日が土日祝祭日の場合は、その前の平日です。
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